きょうからサッカーW杯カタール大会

スポーツ雑誌NumberのW杯特集号


不正疑惑・人権問題、抱える闇 サッカーW杯カタール大会

https://www.asahi.com/articles/DA3S15479388.html

 


いよいよ今夜開幕するサッカーW杯カタール大会します。E組に入った日本は初戦でドイツ(23日)、第二戦でコスタリカ(27日)、最終戦でスペイン(12月2日)と対戦します。スポーツ紙を中心に日本がグループ突破できるのかを盛んに報じていますが、それに比べて開催地について取り上げている記事は少ない気がします。

 

今朝の朝日新聞の記事にそのことがよく書かれていました。カタールが開催地に選ばれた背景や招致に当たっての不正疑惑、さらに大会に伴う会場建設などでの謎の死。闇にも切り込んでいます。秋田県ほどの面積の小国は、どうやって4年に一度の国際的スポーツイベントの開催にこぎつけたのかを理解できます。

 


カタール大会の闇にまつわる記事では他にこういったものもありました。こちらは現在無料公開されていますので、リンクを載せておきます。

 


https://www.alterna.co.jp/60792/

カタールW杯会場建設で6千人超が死亡、サッカー協会の反応は - オルタナhttps://www.yomiuri.co.jp/sports/soccer/worldcup/20221117-OYT1T50304/

(ワールドカップカタールへの批判やまず…英紙は「W杯開催の決定後、移民労働者6500人以上が死亡」 : 読売新聞オンライン)


これらで取り上げられているような事態について、興味深いことも起きています。大会に参加する選手たちからも非難の声が上がっているということです。

 


https://www.soccer-king.jp/news/world/wc/20221114/1708258.html

(B・フェルナンデスとエリクセンも…カタールでのワールドカップ開催を非難)

https://www.bbc.com/japanese/63409233

(サッカー豪代表チーム、W杯開催国カタールを批判 人権侵害と)

 

日本ではアスリート当事者が社会問題に声を上げることはほとんどなく、今回についても一連の事態についてコメントしている選手の記事は見当たりませんでした。「声を上げないなんてアスリート何やってるんだ!」ではなく、我々メディアがもっと盛んに報道すれば意見を言いやすくなったのではないか。中の人として、そんな反省が出てきます。

(はじめに)現役新聞記者のモクレンの自己紹介とブログについて

学生時代に読んだリップマンの「世論」


はじめまして、現役新聞記者のモクレンと言います。このブログでは私が日々新聞を読んでいて気になった記事の紹介や深掘り、解説をしたいと思って立ち上げました。新聞は字が多くて堅苦しい印象がありますが、今話題になっていることを端的に知るにはうってつけのメディアだと思います。ブログを読んでくれた人の中から新たに新聞を読んでみようと思ってくれる人がいることを願っています。

◆自己紹介

新聞との出合いは、小学校高学年の頃です。実家で購読していた全国紙を中心に読んでいました。当時は世間で話題になっていることを知るには、新聞かテレビという時代でした。給食の時間にクラスメートと「家ではどんな新聞を読んでいるのか」をテーマに盛り上がったことがあるほどでした。当時の新聞にはまだ勢いがありました。

中学、高校と進むにつれて携帯電話やインターネットが普及していきましたが、まだ新聞の影響力は高かったと思います。学校の先生のおかげです。「新聞を読むと学力が上がる」と力説する人がいて、現代文の成績が思うように伸びずに私も高校生の時に社説(その新聞社の考えや意見が載った記事)の書き写しを続けたことがあります。今思えば、その経験が記者を志す原点となりました。

新聞から得た知識や考えに刺激を受けた私は、自分も同じように読者の人たちに考えるきっかけを与えられる仕事がしたいと記者を志願し、大学卒業後からずっとこの仕事に就いています。2010年代後半から記者として働き始めたので、この業界に入ってもうすぐで10年になります。

この10年の間に新聞業界は大きく転換を強いられています。購読者離れは深刻化し、業界全体がシュリンク(縮小)し、夕刊の廃止や休刊も相次いでいます。紙が売れなくなり自分たちの開設したネットメディアへの投資を加速させていますが、本業である紙の売り上げを追い抜くほどにはなっていません。私が小学校の頃に経験した新聞についてクラスメートと盛り上がるというのはあまりに時代錯誤で、今後そういった未来が訪れるのが想像しがたいというのが正直なところです。

だからといって新聞自体がなくなるのか。「そんなことはない」と業界人として声を大にして言いたいところですが、正直自信がありません。ただ、何もしないで手をこまねいているわけにもいきません。私なりにできることはないか。自分が面白いと思った記事を紹介していきながら、その流れを食い止めることができないかと考えています。

◆最後に

 最初は週2~3日に1回の頻度で更新していき、その間に面白かった記事を紹介できればと思っております。記事の紹介はしますが、紙面をそのまま全文載せることはいたしません。ネットにも同じ記事があれば、リンクを貼って共有できるようにいたします。慣れていけば毎日更新も考えています。それでは新聞の旅へ。みなさん最後までお付き合いください。

 

2022年11月20日

モクレン